人の死すら無視”の復帰劇――山尾志桜里氏に突きつけられる問い「あなたに政治家の資格はあるのか」

「許せない」――山尾志桜里氏“W不倫”相手の元妻は自死 親友たちが胸中を語る「命が失われたのに、国政復帰ですか?」

2025年6月10日。都内で開かれた記者会見の壇上に立ったのは、かつて「国会のジャンヌ・ダルク」とも評された元衆院議員・山尾志桜里氏(50)。この日、彼女は国民民主党から次期参院選に立候補する意向を表明し、「国のために働く政治家として再び力を尽くしたい」と語った。

だが、この復帰宣言に対し、重い沈黙を破るように声を上げた人々がいる。山尾氏が過去に関係を持った男性──弁護士・倉持麟太郎氏の元妻で、すでに亡くなっているA子さん。その親友たちが「週刊文春」の取材に応じ、「命が失われたという事実を、彼女はどう受け止めているのか」と苦しい胸の内を明かした。

「禁断の関係」と呼ばれた過去
山尾氏が世間を賑わせたのは、2017年9月。週刊文春によって、倉持氏との不倫関係が報じられたことがきっかけだった。報道によれば、山尾氏は国会議員という立場でありながら、議員パスを使って倉持氏との密会を重ねていたとされる。

当時、倉持氏には妻と幼い子どもがいた。報道後、夫婦は離婚。翌2018年には山尾氏自身も離婚に至る。二人はその後も「パートナー関係」として公私にわたる協力を続けたが、ことはそれだけで終わらなかった。

2021年5月、再び「週刊文春」によって衝撃的な事実が明かされる。倉持氏の元妻──A子さんが、心の苦しみの末に自死していたというのだ。彼女の親権は倉持氏側に渡っており、その過程で相当な精神的ダメージを負っていたことが周囲からも確認されている。

「私たちは静かに弔っていた。でも…」
A子さんの死後、親しい友人たちは、彼女の選んだ道に心を痛めながらも、あえてメディアに語ることは避けていたという。

「彼女のことを、私たちなりに静かに見送り、心の中で弔っていました。名前を出して何かを訴えるよりも、彼女の心の痛みにそっと寄り添っていたかった。でも、今はもう黙っていられません。あの人(山尾氏)が、何事もなかったかのように国政の場に戻ろうとしているのを見て、本当に悔しく、悲しくなりました」

そう語るのは、A子さんの長年の親友のひとり。声には怒りだけでなく、深い疲れと悲しみが滲んでいた。

「人の命がひとつ、確かに失われているんです。あの騒動の渦中で、A子は夫も子どもも失いました。辛さを訴えても、誰にも届かない。そんな孤独の中で、彼女は静かに姿を消しました」

「説明も謝罪もないまま、再び国政へ?」
親友たちが何より問題視しているのは、山尾氏の態度だという。報道後、山尾氏は一切の説明を避けるまま政界を去り、その後は「菅野志桜里」の名で文筆活動を続けていた。そして今、旧姓「山尾」の名前で再び選挙に挑むことを決めた。

「本当に説明も謝罪もなく、名前だけを元に戻して“政治家として復帰します”というのは、いくらなんでも誠実さに欠けるのではないでしょうか。『人の命を奪った』とまで言うつもりはありません。でも、自分の行動が誰かを深く傷つけ、絶望させたということは、心に刻んでほしい。それができない人が、国民のために働けるのでしょうか」

これは、単なる不倫スキャンダルではない。ひとつの家庭が崩れ、女性が人生を終わらせるに至った出来事の、その延長にある“再出馬表明”に、世間がどう向き合うべきかを突きつけられている。

「名前で票を取る」のは戦略か、それとも…
今回、山尾氏が「山尾志桜里」の名前で出馬する背景には、かつての知名度を生かした選挙戦略があると言われている。しかしそれは、過去の問題を「なかったこと」にする手法でもあるのかもしれない。

「もし、心から反省していて、A子にも何か思うところがあるのなら、せめて今になってでも何か言葉がほしかった。私たちの怒りは、過去の行為だけでなく、その後の沈黙に対するものです」

親友たちの告白は、単なる“告発”ではなく、失われた命を悼む「願い」でもある。事実に向き合い、丁寧に説明をすること。それが、政治家としての第一歩ではないのか――。

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