ゾンビにも記憶がある? ヘッドホンを着けて本を開くかわいいゾンビと、見守る研究者のイラスト

ゾンビにも記憶がある?『死霊のえじき』(1985年)から人間との違いを考えてみよう

AIで要約する

使用するAIを選んでください

※AI側で内容を取得できない場合があります

みなさんは、ゾンビと聞くと、どんな姿を想像しますか?

ゆっくり歩きながら、人間を追いかけてくる怖い怪物でしょうか。

普通の人間のように会話することもできず、何を考えているのかわからない。

そんなイメージがあるかもしれませんね。

では、もしもゾンビが音楽を聴いて楽しそうにしたり、本を手に取ったりしたら、どう思いますか?

えっ、ゾンビってそんなこともできるの?

きっと驚きますよね。

実は、1985年に公開された映画『死霊のえじき』には、そんな不思議なゾンビが登場します。

その名前はバブ。

普通のゾンビとは、ちょっと様子が違うのです。

今回は、このバブというゾンビを通して、記憶とは何なのか、人間らしさとは何なのかを一緒に考えてみましょう。

『死霊のえじき』(1985年)ってどんな映画?

ロメロ監督が作った3作目のゾンビ映画

『死霊のえじき』は、1985年にアメリカで公開されたホラー映画です。

原題は『Day of the Dead(デイ・オブ・ザ・デッド)』。

監督は巨匠ジョージ・A・ロメロです。

これまでに紹介した2作品と合わせて、ロメロ監督の初期ゾンビ映画3部作と呼ばれています。

最初の『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968年)では、一軒の家に逃げ込んだ人間たちが描かれました。

続く『ゾンビ』(1978年)では、ショッピングモールに集まるゾンビたちが登場しました。

そして、今回の『死霊のえじき』では、ゾンビについて研究する人間たちが登場します。

3作品ともゾンビが登場しますが、物語のテーマは少しずつ違うのです。

人間たちは地下施設に隠れて暮らしている

映画の世界では、ゾンビがあちこちに現れ、人間たちは安心して暮らせなくなっています。

生き残った人々の一部は、地下にある施設で生活しています。

そこには、科学者や軍人たちが集まっています。

科学者たちは、ゾンビについて調べ、どうすれば対処できるのかを考えています。

しかし、軍人たちの中には、研究に協力することよりも、ゾンビを危険な存在として閉じ込めることを重視する人もいます。

同じ施設で暮らしているのに、みんなの考え方はバラバラです。

そんな中、一人の科学者が、あるゾンビに注目します。

それが、今回の主役ともいえるバブなのです。

ゾンビのバブは、ほかのゾンビと何が違うの?

音楽を聴くゾンビ?

バブを研究しているのは、ローガン博士という科学者です。

ローガン博士は、ゾンビにも人間だったころの記憶が残っているのではないか、と考えています。

そこで、バブにいろいろなものを見せて、反応を調べます。

その一つが音楽です。

バブは、ヘッドホンから流れる音楽に耳を傾けます。

まるで、音楽を楽しんでいるようにも見えるのです。

みなさんにも、お気に入りの曲はありますか?

好きなアニメの主題歌や、学校で歌った曲を聴くと、昔のことを思い出すかもしれませんね。

バブも、音楽によって生きていたころの何かを思い出しているのでしょうか。

それとも、ただ音に反応しているだけなのでしょうか。

映画は、その答えを簡単には教えてくれません。

本や電話の使い方を覚えている?

ローガン博士は、バブに本や電話なども見せます。

すると、バブはそれらの道具に興味を示します。

本を手に取ったり、電話を使おうとしたりするのです。

普通のゾンビとは違う行動ですよね。

ここで、少し想像してみてください。

みなさんは、初めて見る道具を渡されたら、すぐに使い方がわかりますか?

きっと、使い方を教えてもらったり、自分で試したりするでしょう。

でも、何度も使ったことがある道具なら、説明されなくても使えるかもしれません。

バブの行動は、そんな人間の記憶と似ているように見えます。

ゾンビにも昔の記憶が残っているの?

バブが見せた不思議な敬礼

バブには、もう一つ面白い行動があります。

それは敬礼(けいれい)です。

敬礼とは、軍人などが相手に敬意を示すために行う動作です。

バブは軍人の姿を見て、敬礼するような動きを見せます。

ローガン博士は、この行動から、バブが生きていたころ軍人だったのではないかと考えます。

もちろん、これは映画の中での推測です。

バブが本当に軍人だったと証明されるわけではありません。

でも、もし生前の記憶が残っているとしたら、不思議ですよね。

人間だったころの習慣が、ゾンビになっても消えずに残っているのかもしれないのです。

記憶にはいろいろな種類がある

ここで、人間の記憶について少し考えてみましょう。

例えば、昨日の夕食に何を食べたか覚えていますか?

これは、過去に経験した出来事の記憶です。

では、自転車の乗り方はどうでしょう?

しばらく乗っていなくても、体が動きを覚えていることがありますよね。

このように、記憶にはいろいろな種類があります。

バブが道具を使おうとしたり、敬礼したりする姿は、昔覚えた動作が残っているようにも見えます。

ただし、ここで大切なことがあります。

道具を使えることと、昔の出来事を思い出していることは、必ずしも同じではありません。

バブが本当は何を考えているのか、はっきりとはわからないのです。

バブには感情もあるの?

優しくされると、ゾンビも変わる?

映画では、ローガン博士がバブにいろいろなことを教えています。

バブは、博士の働きかけに少しずつ反応するようになります。

そして、博士との間に特別なつながりがあるようにも見えてきます。

ここで、一つ質問です。

みなさんは、誰かに優しくしてもらって、うれしくなった経験はありますか?

先生にほめられたり、友達に助けてもらったりしたとき、安心することがありますよね。

では、ゾンビにもそんな気持ちはあるのでしょうか?

バブの行動を見ていると、ただ人間を襲うだけの怪物とは思えなくなるかもしれません。

しかし、バブに人間と同じ感情があると、はっきり証明されたわけではありません。

そこが、この映画の考えさせられるところなのです。

怖い姿をしているから、悪い存在なの?

もし、見た目が怖い人に出会ったら、みなさんはどう思いますか?

最初は少し緊張するかもしれません。

でも、実際に話してみると、とても親切な人だったということもありますよね。

もちろん、映画に登場するゾンビは、人間を襲う危険な存在です。

見た目だけで安全だと決めつけてはいけません。

ただ、バブのようなゾンビを見ると、怪物にもいろいろな特徴があるのではないかと考えたくなります。

怖い姿をしていることと、その存在について何も知らないことは、同じではありません。

これは、映画の中だけでなく、私たちの日常生活でも考えられることです。

本当に人間らしいのは、どちらなの?

ゾンビより怖い行動をする人間たち

『死霊のえじき』には、科学者だけでなく軍人も登場します。

その中でも、ローズ大尉という人物は、強い態度で周囲の人々を従わせようとします。

自分の考えを押し通そうとするため、科学者たちとの関係も悪くなっていきます。

一方、バブは、少しずつ人間らしい行動を見せるようになります。

ここで、面白い違いが生まれます。

人間であるはずの人たちが、お互いを思いやれなくなる。

その一方で、怪物であるはずのバブには、人間らしさを感じる場面があるのです。

いったい、人間らしさとは何なのでしょう?

言葉を話せることでしょうか。

道具を使えることでしょうか。

それとも、相手の気持ちを考えられることでしょうか。

答えは、一つではないかもしれません。

科学者なら何をしてもいいの?

ここで、もう一つ考えたいことがあります。

ローガン博士は、ゾンビについて知ろうとしています。

未知のものを調べようとすることは、科学にとって大切です。

しかし、映画の中では、博士の研究方法にも大きな問題があることがわかってきます。

どんなに素晴らしい発見を目指していても、そのために何をしてもよいわけではありません。

これは、現実の科学にも通じる大切な考え方です。

科学の研究では、安全や命、研究に関わる人たちの尊厳を守る必要があります。

知りたい、という気持ちだけでなく、どうやって調べるべきか?を考えることも重要なのです。

3つのゾンビ映画を比べてみよう!

ゾンビ映画には、人間への質問が隠されている

ここまで紹介したロメロ監督の3作品を振り返ってみましょう。

最初の『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』では、ゾンビから逃げ込んだ人々が、なかなか協力できませんでした。

そこから考えられるのは、人間はどうして意見が違うと争ってしまうの?という疑問です。

続く『ゾンビ』では、ショッピングモールに集まるゾンビと人間が描かれました。

そこからは、欲しいものが何でもあれば、人間は幸せなの?と考えることができました。

そして今回の『死霊のえじき』では、記憶や感情があるように見えるゾンビが登場します。

ここから生まれる質問は、人間らしさって何だろう?です。

こうして並べてみると、ゾンビ映画には、怖い場面以外にも考える楽しさがあることがわかりますね。

ホラー映画が苦手な人も楽しめる?

映画そのものは、とても怖い作品

ここまで読むと、バブの姿を実際に見てみたいと思う人もいるかもしれません。

ただし、『死霊のえじき』は、子ども向けに作られた映画ではありません。

ロメロ監督の初期3部作の中でも、特に刺激の強い映像が多い作品です。

ゾンビによる攻撃や、血が出る場面などが登場します。

そのため、小学生やホラー映画が苦手な人には、無理に視聴することをおすすめしません。

映画を見る場合は、保護者と相談して、年齢区分や作品の内容を確認しましょう。

映画を見なくても、こうした解説記事を読んで物語について考えることはできます。

怖い映像を見ることだけが、ホラー映画の楽しみ方ではないのです。

まとめ|ゾンビにも心があるのかな?

『死霊のえじき』に登場するバブは、これまでのゾンビとは少し違います。

音楽を聴いたり、道具に興味を示したり、敬礼するような動きを見せたりします。

その姿から、ゾンビにも人間だったころの記憶が残っているのではないか、と考えられます。

でも、バブが本当に何を覚えているのか、どんな気持ちを持っているのかは、簡単にはわかりません。

だからこそ、想像する面白さがあります。

最後に、みなさんに一つ質問です。

もしもバブが、人間の言葉を一つだけ話せるとしたら、どんな言葉を話すと思いますか?

「こんにちは」でしょうか?

「ありがとう」でしょうか?

それとも、誰かの名前を呼ぶのでしょうか?

答えは自由です。

大切なのは、バブがどんなことを考えているのか、想像してみることです。

ゾンビ映画は、人間を怖がらせるだけの映画ではありません。

ときには、記憶や感情、人間らしさについて考えるきっかけにもなるのです。

見た目は怖い怪物でも、その行動をよく見ると、新しい発見があるかもしれません。

そんな不思議な面白さを教えてくれるのが、『死霊のえじき』なのです。

-ゾンビのひみつ
-, , , , , , ,