「ホラー映画って、幽霊が出てくる怖い映画でしょ?」
実は、ホラー映画の怖さはそれだけではありません。悪魔やゾンビ、不思議な怪物、そして人間が怖さの中心になる物語もあります。
急に出てきてびっくりする怖さ。何かが近づいてくるような、じわじわした怖さ。その違いに注目すると、映画に隠れた工夫が見えてくるかもしれません。
この記事では、5つの怖さの種類と、映画のひみつを考えるコツをやさしく紹介します。映画をまだ見たことがなくても大丈夫。一緒に、ホラー映画の世界をのぞいてみましょう。
「ホラー映画って、幽霊が出てくる怖い映画でしょ?」
実は、ホラー映画の怖さはそれだけではありません。悪魔やゾンビ、不思議な怪物、そして人間が怖さの中心になる物語もあります。
急に出てきてびっくりする怖さ。何かが近づいてくるような、じわじわした怖さ。その違いに注目すると、映画に隠れた工夫が見えてくるかもしれません。
この記事では、5つの怖さの種類と、映画のひみつを考えるコツをやさしく紹介します。映画をまだ見たことがなくても大丈夫。一緒に、ホラー映画の世界をのぞいてみましょう。
ホラー映画は「怖い気持ち」を描く映画
ホラー映画とは、恐怖や不安、不気味さを感じさせることを中心にした映画です。ホラーは英語で、恐怖などを意味する言葉です。[出典7]
ただし、怖い場面がある映画を、すべてホラー映画と呼ぶわけではありません。冒険映画にも、追いかけられたり、危険な場所へ入ったりする場面があります。映画の種類は、物語全体の特徴を見て考えます。
ホラー映画でも、家族のつながりや友情、悲しみが描かれることがあります。「何が出てくるか」だけでなく、「登場人物が何を大切にしているか」に注目するのも、一つの読み方です。
ホラー映画の怖さは大きく5種類
ここからは、このブログで扱う怖さを5つに分けて紹介します。これは読みやすくするための分類で、1本の映画にいくつかの種類が混ざることもあります。
① 悪魔の怖さ|見えない力に立ち向かう
悪魔を扱う映画では、人の体に悪魔が入り込んだり、説明のつかない出来事が続いたりします。
『エクソシスト』(1973年)は、少女に取りついた悪霊から彼女を救おうとする物語です。一方、『オーメン』(1976年)は、少年の正体をめぐる疑いと、不吉な出来事を描きます。同じ悪魔を扱っていても、物語の進み方は違います。[出典1][出典2]
こうした映画を考えるときは、「誰が異変に気づくのか」「周りの人はその話を信じるのか」に注目してみましょう。
例えば、助けを求めても信じてもらえない場面なら、悪魔の力に加えて、誰にも頼れない不安を描いている、と考えることもできます。これは場面を読み解く考察の例です。
なお、映画に描かれた悪魔の力と、現実に確認された出来事は分けて考えます。
② ゾンビの怖さ|逃げるだけでは解決しない
ゾンビ映画では、動く死者などが人々を脅かします。ただし、ゾンビの動き方や誕生の理由、広がり方は作品によって違います。
感染によって人が変わる映画もありますが、感染した人と死者がよみがえった存在を、同じものとして描かない作品もあります。
ゾンビ映画の歴史で重要な作品の一つが、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968年)です。この映画では、人々が家に立てこもり、外から迫る脅威に対処します。[出典3]
考察では、逃げ道だけでなく、人間同士の行動にも注目します。「協力できるのか」「誰の判断に従うのか」といった問題です。
もし外の敵から逃げられても、仲間同士が争ってしまったらどうなるでしょう。そんな問いから、物語を考えることができます。
③ 幽霊と呪いの怖さ|そこにいないはずのものがいる
誰もいない部屋から聞こえる足音。動かした覚えのない人形。いつの間にか開いている扉。
これらは、幽霊や呪いの物語を想像するための例です。「なぜこんなことが起きたの?」という謎が、怖さにつながります。
幽霊を扱う映画の例には、『リング』(1998年)があります。英国映画協会も、この作品を幽霊の登場するホラーとして紹介しています。[出典4]
幽霊の物語を読むときは、「なぜこの場所なのか」「過去に何があったのか」を手がかりにしてみましょう。
ただし、幽霊が出る作品なら必ず同じ理由がある、とは限りません。映画の中でわかったことと、まだ説明されていないことを分けると、考察が整理できます。
④ 怪物の怖さ|知らない姿や力との出会い
吸血鬼、巨大な生き物、宇宙から来た生物など、怪物にもさまざまな種類があります。英国映画協会のホラー特集でも、獣や吸血鬼などの異なる存在が取り上げられています。[出典4]
怪物の映画では、「どんな力を持っているのか」「どこに隠れているのか」といった謎を追えます。姿の一部しか見えない場面なら、見えていない部分を想像しながら読むこともできます。
ここで考えたいのが、「怪物は、どうして人間とぶつかるのだろう?」という問いです。
物語によっては、怪物の住む場所に人間が入り込んでいるかもしれません。見た目だけで悪者と決めず、登場人物それぞれの行動を確かめてみましょう。
⑤ 人間の怖さ|誰を信じてよいかわからない
ホラー映画には、人間の行動や心の不安を中心に描くものもあります。心の動きに重点を置く作品は、「心理ホラー」と呼ばれることがあります。[出典5]
例えば、「親切に見える人が、何かを隠している」という設定を想像してください。相手の目的がわからないと、何気ない言葉まで気になってきます。
考察では、誰が何を知っているのか、どの言葉に根拠があるのかを整理してみましょう。
登場人物が疑っているだけなのか、映画の中で事実として示されたのか。この違いを考えると、物語の見え方が変わるかもしれません。
「びっくり」と「じわじわ」はどう違う?
同じ出来事でも、見せ方を変えると印象は違います。ここでは、架空の場面で比べてみましょう。
明るい部屋で、友達が扉を開ける場面を想像してください。
次に、暗い部屋で、扉の向こうから足音だけが聞こえる場面を想像してください。誰がいるのかは見えません。
どちらを怖いと感じるか、理由も考えてみましょう。
突然の登場や大きな音で驚かせる場面では、何が変わった瞬間に驚いたのかを考えてみましょう。何かが起こりそうな時間を長く見せる場面では、不安の積み重ねに注目できます。
「何が登場したか」に加えて、「登場するまでに何を見せたか」を探すのが、怖さを考えるヒントです。
考察は、手がかりから考えること
考察とは、作品の中の手がかりをもとに、意味や理由を考えることです。難しい言葉を使う必要はありません。
最初は、次の3つを探してみましょう。
- 登場人物は、なぜその行動をしたのか。
- 同じ物や言葉が、繰り返し出てこないか。
- 怖く感じた場面では、音や映像がどう変わったか。
「扉が開いた」は、映像で確認できる出来事です。「幽霊が開けたと思う」は、理由についての考えです。
自分の考えには「この場面から、こう思った」と手がかりを添えましょう。友達と違う答えになっても、理由を比べれば、新しい発見につながります。
自分に合った入口から楽しもう
映画を見る前には、作品の年齢区分を確認しましょう。日本の映倫には、誰でも見られる「G」、12歳未満には保護者の助言・指導が必要な「PG12」、15歳未満は見られない「R15+」、18歳未満は見られない「R18+」があります。[出典6]
区分と、自分が怖いと感じるかどうかは別です。小学生なら保護者と相談し、つらく感じたら途中でやめても大丈夫。解説や制作の話から興味を広げる方法もあります。
ホラー映画の入口には、悪魔、ゾンビ、幽霊、怪物、人間など、さまざまな話題があります。
「どうして怖いの?」「あの場面には、どんな意味があるの?」
気になった疑問を一つ選んで、映画のひみつを探してみましょう。
参考情報
- [出典1]BFI:The Exorcist (1973)
- [出典2]BFI:The Omen at 40 and the bloodline of occult cinema
- [出典3]BFI:Why Night of the Living Dead was a big-bang moment for horror movies
- [出典4]BFI:Full programme revealed for In Dreams Are Monsters
- [出典5]BFI:Sight & Sound: the November 2020 issue
- [出典6]映倫:映画の区分と審査方針
- [出典7]Cambridge Dictionary:horror
情報確認日:2026年10月3日