ショッピングモールで不思議そうに手を伸ばす、かわいい3人のゾンビと買い物カートのイラスト

ゾンビはなぜ買い物に来るの?『ゾンビ』(1978年)のショッピングモールに隠されたひみつ

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みなさんは、ショッピングモールに行くのが好きですか?

おもちゃ屋さん、本屋さん、洋服屋さん、おいしい食べ物が並ぶお店。

ショッピングモールには、見ているだけでも楽しくなるものがたくさんありますよね。

では、ちょっと不思議な質問です。

もしもゾンビがショッピングモールにやってきたら、何を買うのでしょうか?

「ゾンビがお買い物?」

「お金なんて持っていないんじゃない?」

そう思った人もいるかもしれません。

実は、1978年に公開された映画『ゾンビ』には、たくさんのゾンビがショッピングモールに集まる場面があります。

でも、ゾンビたちは買い物をしているわけではありません。

それなのに、どうしてお店に集まってくるのでしょう?

そこには、私たち人間の生活に関係する、ちょっと不思議なひみつが隠されているのです。

今回は、怖い場面の説明はできるだけ少なくして、ゾンビとショッピングモールの関係を一緒に考えてみましょう。

『ゾンビ』(1978年)ってどんな映画?

あの『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の次に作られた作品

『ゾンビ』は、1978年に公開されたアメリカとイタリアの合作ホラー映画です。

原題は『Dawn of the Dead(ドーン・オブ・ザ・デッド)』。

監督は、前回紹介した『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968年)と同じ、ジョージ・A・ロメロです。

前作では、一軒の家に逃げ込んだ人たちが、ゾンビから身を守ろうとしていました。

今回の舞台は、もっと大きな場所です。

それが、ショッピングモール!

たくさんのお店が入っている、大きな建物ですね。

前作は白黒映画でしたが、今回はカラー映画になっています。

そして、ゾンビの数も増え、物語の世界が大きく広がりました。

ショッピングモールに逃げ込んだ4人の人間

映画には、ピーター、ロジャー、スティーブン、フランシーンという4人の人物が登場します。

町ではゾンビが増え続け、人々は安心して暮らせなくなっています。

そんな中、4人はヘリコプターで逃げる途中、大きなショッピングモールを見つけます。

そこには食べ物や洋服、生活に必要なものがたくさんあります。

「ここなら、安全に暮らせるかもしれない!」

そう考えた4人は、ショッピングモールを自分たちの隠れ場所にしようとします。

ところが、困ったことがありました。

ショッピングモールには、すでにたくさんのゾンビが集まっていたのです。

どうしてゾンビたちは、こんな場所にいるのでしょうか?

ゾンビはどうしてショッピングモールに集まるの?

ゾンビには昔の記憶が残っている?

映画の中で、登場人物たちは不思議なことに気づきます。

ゾンビたちが、ショッピングモールに集まってくるのです。

そこで、登場人物の一人は、ゾンビたちには生きていたころの記憶や習慣のようなものが残っているのかもしれない、と考えます。

つまり、生きていたころによく訪れていた場所だから、自然と戻ってきているのではないか、ということです。

例えば、みなさんにも、お気に入りの場所はありませんか?

いつも遊んでいる公園。

友達とよく行くお店。

家族と買い物をするショッピングモール。

何度も訪れた場所は、知らないうちに自分の生活の一部になっていることがあります。

映画では、そんな人間の習慣を、ゾンビの行動に重ねていると考えられます。

ただし、ゾンビに本当に記憶が残っているのかは、映画の中でもはっきりとは説明されません。

だからこそ、想像する面白さがあるのです。

ゾンビは買い物が好きなの?

ここで、もう一つ考えてみましょう。

ゾンビたちは、本当に買い物がしたいのでしょうか?

映画のゾンビは、人間のようにお店で商品を選んだり、お金を払ったりするわけではありません。

ただ、ショッピングモールの中を歩き回っています。

まるで、何をするために来たのか忘れてしまった人たちのようです。

これって、少し不思議ですよね。

私たちも、何かを買う予定がなくても、なんとなくお店に入ることがあります。

そして、気がつくと、欲しいものが見つかっていることもあります。

ロメロ監督は、そんな人間の買い物の習慣を、ゾンビを使って面白く表現したのかもしれません。

ショッピングモールには、どんなひみつがあるの?

何でも買える場所は、本当に幸せな場所?

みなさん、想像してみてください。

もしも、ショッピングモールにあるものを、何でも自由に使えるとしたらどうしますか?

欲しかったゲーム。

お気に入りの洋服。

大好きなお菓子。

きっと、最初は楽しいですよね。

映画の登場人物たちも、食べ物や必要なものを手に入れて、ショッピングモールでの生活を始めます。

しかし、ここで一つ疑問が生まれます。

欲しいものが何でも手に入れば、人間はずっと幸せなのでしょうか?

例えば、新しいゲームを買ったとしましょう。

最初は夢中になって遊びます。

でも、しばらくすると、また別のゲームが欲しくなることもありますよね。

もちろん、欲しいものを買うことは悪いことではありません。

大切なのは、物を手に入れることだけが幸せなのか、考えてみることです。

ショッピングモールは便利だけど、外の世界は?

映画の登場人物たちは、ショッピングモールの中で生活に必要なものを手に入れられます。

しかし、建物の外にはゾンビがいます。

自由に外へ出ることは簡単ではありません。

どんなにたくさんの物があっても、安心して外を歩けなければ、少し寂しいですよね。

友達と公園で遊ぶことも、家族と旅行することもできません。

そう考えると、ショッピングモールは便利な場所でありながら、人間を閉じ込める場所にも見えてきます。

これは、この映画の面白いところです。

安全そうに見える場所が、必ずしも自由で幸せな場所とは限らないのです。

ロメロ監督は、どうしてショッピングモールを選んだの?

1970年代のアメリカでは買い物の形が変わっていた

この映画が作られた1970年代、アメリカでは大きなショッピングモールが広がっていました。

食べ物、洋服、家電製品など、いろいろな商品を一つの建物で買える施設です。

ロメロ監督は、まだ開店する前の大きなショッピングモールを訪れた経験がありました。

そこには、たくさんの商品が運び込まれていたそうです。

監督は、その光景から映画のアイデアを思いついたと、後のインタビューで語っています。

つまり、ショッピングモールを舞台にしたのは、ただ広くてゾンビから逃げやすそうだったからではありません。

人間の買い物の習慣について考える場所として、ショッピングモールが選ばれたのです。

ゾンビを使って人間社会を描いた

映画には、社会の問題を、少し大げさに描いて考えてもらう方法があります。

これを「風刺(ふうし)」といいます。

難しそうな言葉ですが、簡単にいうと、物語の中で人間のちょっとおかしな行動を見せて、「これって変じゃない?」と問いかけることです。

例えば、何でも欲しがる人が登場する物語があったとします。

その人は、たくさん物を集めても、なかなか満足できません。

そんな物語を読んだら、

「本当に、そんなにたくさん必要なのかな?」

と考えるかもしれませんね。

『ゾンビ』にも、買い物や物を欲しがる人間の姿を風刺した部分があります。

ゾンビは、ただ人間を怖がらせるためだけの存在ではないのです。

ゾンビと人間は、少し似ている?

ゾンビだけがショッピングモールに引き寄せられるわけではない

ここで、映画の不思議なところを考えてみましょう。

ゾンビたちは、ショッピングモールに集まってきます。

一方、人間たちも、ショッピングモールに逃げ込みます。

ゾンビと人間では、理由が違います。

ゾンビは、昔の習慣に引き寄せられているのかもしれません。

人間は、安全な場所や生活に必要なものを求めています。

それでも、どちらも同じ場所に集まっているのです。

これは偶然でしょうか?

もしかすると、監督は「人間もゾンビも、物がたくさんある場所から離れられない」という不思議な共通点を見せたかったのかもしれません。

ここが、今回の映画で最も考えてほしいところです。

物を持つことと、幸せになることは違う?

もちろん、買い物をすることが悪いわけではありません。

好きな本を買ったり、おいしいものを食べたりするのは楽しいですよね。

でも、物を持つことだけが幸せではありません。

友達と笑い合う時間。

家族と食事をする時間。

好きなことに夢中になれる時間。

そんな、お金では買えない大切なものもあります。

映画のショッピングモールには、たくさんの商品があります。

でも、商品がどれだけあっても、外の世界が安全になるわけではありません。

この映画を見ていると、本当に大切なものは何なのか、考えたくなります。

ホラー映画が苦手でも『ゾンビ』を楽しめる?

映画を見る前に知っておきたいこと

ここまで読んで、映画を見てみたいと思った人もいるでしょう。

ただし、『ゾンビ』(1978年)は、子ども向けに作られた映画ではありません。

人が襲われる場面や、血が出る場面など、かなり刺激の強い映像が登場します。

日本では、公開されるバージョンによってR15+に指定されているものもあります。

R15+の作品は、15歳未満の人は鑑賞できません。

そのため、特に小学生のみなさんは、無理に映画を見る必要はありません。

この記事を通して、ゾンビ映画にはどんな意味が隠されているのかを知るだけでも、十分に楽しめます。

怖い映画にも、考える楽しさがある

ホラー映画は、ただ怖がるためだけのものではありません。

『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』では、人間同士が協力することの難しさが描かれていました。

今回の『ゾンビ』では、買い物や、物を欲しがる人間の心が描かれています。

こうして比べてみると、同じゾンビ映画でも、伝えようとしていることが違うのがわかりますね。

怖い場面が苦手でも、映画の物語や登場人物の行動について考える楽しみ方があるのです。

まとめ|ゾンビは何を求めてショッピングモールに来たの?

1978年の映画『ゾンビ』には、たくさんのゾンビがショッピングモールに集まってきます。

でも、ゾンビたちはお買い物をするわけではありません。

生きていたころの習慣や記憶のようなものに引き寄せられているのではないか、と映画の登場人物は考えます。

そして、ショッピングモールに逃げ込んだ人間たちも、たくさんの物に囲まれて生活することになります。

この映画からは、買い物の楽しさだけでなく、物を手に入れることと幸せの関係について考えることができます。

最後に、みなさんに質問です。

もしも、ショッピングモールにあるものを一つだけ持って帰れるとしたら、何を選びますか?

ゲームでしょうか?

大好きなお菓子でしょうか?

それとも、家族や友達と一緒に使えるものでしょうか?

どれを選んでもかまいません。

大切なのは、「どうして、それが欲しいのかな?」と考えてみることです。

ゾンビ映画の中には、私たちの日常生活を見つめ直すヒントが隠れています。

次にショッピングモールへ行ったときには、ちょっとだけ思い出してみてください。

何でもそろう便利な場所。

でも、本当に大切なものは、きっと商品だけではありません。

そんなことを考えさせてくれるのが、ジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ』なのです。

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